金沢大学模擬患者会の活動
模擬患者とは?
模擬患者(Simulated Patient、以下SP)とは、医療者(学生)の教育のために、一定の訓練を受けて、実際の患者と同じような症状や会話を再現できる患者役を演じる人です。
活動について
金沢大学模擬患者会は学生の医療面接実習を充実させるために2001年(平成13年)に発足いたしました。他大学での勉強会や講習会、定例会なども定期的に行い模擬患者(SP)として医学類、薬学類の講義やOSCE(客観的臨床能力試験:Objective Structured Clinical Examination)にご協力いただいています。
模擬患者(SP)と教員の講習会
医学類3-4年次開講「診断学実習」での模擬患者(SP)と医学生の医療面接
客観的臨床能力試験(OSCE)
OSCEの目的
医学類4年生が受ける「Pre-CC OSCE」と、医学類6年生が受ける「Post-CC OSCE」があります。
「Pre-CC OSCE」では、臨床実習前(4年生)の、患者さんに接する態度や診察の仕方、基本的な技能の修得度を評価します。模擬患者さんのご協力をいただいたり、シミュレータを使用します。
「Post-CC OSCE」では、臨床実習後(6年生)が、ある症状を訴える模擬の患者さんにどう対応できるかを評価します。模擬患者さんにご協力いただきます。大学を卒業させてもよいと判断できる臨床能力を修得したか、卒業後の臨床研修を開始できるレベルに到達できたかを評価します。
OSCEの実際
「Pre-CC OSCE」では、「医療面接」という試験項目において、医学生の患者さんの話を聞き取る能力を評価します。あらかじめシナリオが用意されており、模擬患者さんは試験の前にシナリオを覚えて、試験においては学生の質問に答えます。試験時間は10分間となります。
「Post-CC OSCE」では、医学生は医療面接模擬患者さんの話を聞いた後、身体診察模擬患者さんに対し診察を行います。より実際の外来診察に近い総合的な臨床能力を評価します。こちらもあらかじめシナリオが用意されています。模擬患者さんはシナリオを覚えていただく必要があります(医療面接・身体診察共に)。医療面接模擬患者と身体診察模擬患者は別である必要はありません。試験時間はすべてで17分ですが、模擬患者さんが学生と接する時間は12分間です。
OSCE試験にかかる模擬患者さん募集における応募要件
医学生と同居もしくは血縁関係( 2 親等内 )にある方は応募不可とさせていただきます。事前の講習会 (試験の説明およびシナリオの読み合わせ確認をします)に必ず1回参加をお願いしています。
OSCE試験にかかる模擬患者さんの養成とフォロー
試験前の講習会で、具体的な試験の進行を説明し、事前にお送りしたシナリオをもとにお集まりいただいた皆さんでシナリオの読み合わせを行います。「学生がこう聞いてきたときどうしたらよいのだろう」など、疑問が出てきましたら、医学教育研究センターの教員が傍におりますので、お気軽にお尋ねください。質問にお答えし、またその回答は模擬患者さん全員に共有させていただきます。試験での「標準化(学生だれもが同じように試験を受けれるようにすること)」のためです。講習会では、模擬患者さん同士で学生(医師)役・模擬患者(患者)役となってロールプレイ練習をしていただきますが、このページ上部の模擬患者会に所属されている経験豊富な方もいらっしゃいます。皆さんお優しく、丁寧に教えてくださいます。もちろん、医学教育研究センターの教員もロールプレイ練習に参加したり、アドバイスをさせていただきます。したがって初めての方も、十分な練習と心構えをして本番に臨むことができます。講習会の日時にご都合が合わない方は別途ご説明の場を設けさせていただきます。講習会とは別に、シナリオの練習会も複数回開催させていただく予定ですが、参加は自由です。お困りのことがございましたら適宜ご相談に応じさせていただきます。
OSCEのスケジュールと謝金について
スケジュールに関しましては、年によって詳細は変わってまいりますが、通常9月上旬に「Pre-CC OSCE」、10月上旬に「Post-CC OSCE」が開催されます。
謝金に関してですが、試験日だけでなく、講習会や練習会にも謝金が発生します。規定に沿った額が支給されます。
ご協力のお願い
模擬患者さんのご協力により、質の高い臨床教育が実施でき、4年生は臨床実習へ、6年生は研修医へと進む関門である試験(OSCE)を受けることが可能になります。
皆さんのご協力は地域、ひいては日本の、将来の医療を担う若者を育てることに繋がる貴重なものです。
関心を持たれた方は、どうぞお気軽に下の「こちらをクリック」からご連絡いただきますようお願いいたします。